2023年11月10日(金)発行の北海道新聞朝刊のくらし面にて、トランスXコミュニティの活動について紹介してくださいました。
紙面見開きのかなりのスペースを使い、GID学会の理事長のインタビューや性別違和を感じる当事者の声とともに、トランスXコミュニティの活動について、代表の川島暢華へのインタビューという形で掲載されました。
記事の背景は、手術要件に対する最高裁の違憲判決
こちらの記事自体は、2023年10月25日に最高裁で下された違憲判決を受けて企画をされた模様です。
2023年現在の日本国内では、性別変更をするための要件のうちの1つとして「生殖能力がない状態であること」と性同一性障害特例法にて義務付けています。ただ、世界各国を見渡せば性別変更のために生殖能力を失わせる規定を設けているのは日本だけですし、そもそもこのような規定自体が人権侵害だと言われています。
今回の最高裁の判決の争点は、性別を変更するには生殖機能をなくす手術を事実上義務づけている性同一性障害特例法の規定が憲法に違反するか否か。結果、15名の裁判官全員一致で憲法に違反していると判決が下りました。
もっとも、今回の違憲は「生殖不能」要件についてのみの判断で、「外観要件」のほか「子なし要件」については判断が示されていません。まだまだ課題も多く議論の余地があるのではありますが、人権の視点では大きく前進した(というか、不平等が平等に近づいた)と言えます。
正しく冷静な報道が増えることを願います
今まで、トランスジェンダーやノンバイナリーなど、性別に違和や疑問を感じる方についての報道は大きく取り上げられることは少なかったと思われます。取り上げられたとしても、トイレ問題と風呂問題に終始したりヘイトを煽るような論調だったり、ともすれば記者や媒体社自体が誤解や誤認をしていて誤った解釈を伝えているケースも散見されました。
性別に違和や疑問を感じる方々が直面している問題や課題など、正しく冷静な視点で世に問いかけ伝えていく報道が増えてくことを願います。
北海道新聞の関係者のみなさまに感謝
今回の北海道新聞さんの記事に関しては、多くの当事者にしっかり取材をされていて、性別変更に関する医療の問題や判決に対する当事者の受け止め方などしっかりと紹介されていました。とてもよい記事で、多くの方にご覧になっていただければよいなと感じられる内容です。
なお、紙面に掲載されている内容の一部は、以下の北海道新聞デジタル版でもご覧いただけます。
最後に、取材頂いた北海道新聞の某記者と編集部のみなさまに感謝申し上げます。